COLUMN
1.132015
リノベーションをイチ推しする3つの理由(その3)
人生は先のことがわからない=リスクだらけ。だからこそ「本当の」安心を手に入れる。
こと、マンションに関して「安心」って言えば、大きく分けて
①構造・機能的な安心
②住むエリアの治安や災害に対する安心
③資産価値・マネープランとしての安心
④住む場所が確定しているという安心
といったところが挙がると思う。
日本では「新築だから安心」みたいな風潮が根強い。
車でも、絶対新車って人は多いでしょう。
でもこれって、日本独特のものなんですよね。
「新築が安心?」
①の構造的なことで言えば、多くのマンションは鉄筋コンクリート造(RC)ですが、
キチンとつくられたマンションの構造は100年程度はまったく問題なく住むことができます。
逆に新築だとしても、施工に手抜きがあればまったくアウトですよね。一時期耐震偽装マンションがかなり問題になりましたが。
だから構造的な安心は、新築か中古かで決まるわけじゃないし、だいいち、そんなの消費者の目で判断できるものじゃない。
中古マンションは、すでに数十年経っているから、むしろ構造がしっかりしてるかどうかは目視だけでも判断しやすい。
新築は、工事中ならチェックできるけど、出来たばかりだと化粧直後みたいなもの。
どんなに下手な化粧でも、数分後に化粧崩れなんてないからわからない。
むしろ、大事なのは管理。
聞いたことないですかね?「マンションは管理を買え」って言葉。
構造は大事だけど、いわば骨みたいなもの。
でも骨が丈夫な人は、必ず長生きできるだろうか?
どちらかというと、健康かどうかということのほうが問題でしょう?
マンションの場合で言えば、管理状態の良いのが健康体で、ずさんな管理のマンションは病気だと思えばいい。
また、人間も血管が詰まったりするとダメなように、構造はしっかりしていても、マンションの血管に当たる、電気・ガス・水道などのインフラ系がボロボロってのはよくある。
この点では、新築のほうが安心と言えそう。
でも、リノベーションを前提に考えるなら、全部撤去してやり直すので、血液サラサラ。
管理に関しては、中古マンションは、これまでの実績を見ればすぐわかる。
新築はこれからだから、すべてが絵に描いた餅。
②の住むエリアについても、実績があるって判断しやすい。
まわりの住人も、新築では購入時には、どんな人が入居してくるからわからないけど、
中古なら、どんな人が住んでるか、ちょっと調べればわかる。
実際、マンション買ったけど隣の住人とのトラブルですぐ手放した、なんて話はザラにある。
戸建てよりも距離感と様々なものを共有しているという点で始末が悪い。
まあ、これも中古のほうが「安心」って言っていいかも。
さて、一番安心を担保してくれる(=リスクに対処できる)ものって、やっぱりお金じゃないだろうか?
単純に住宅取得にかけるお金が多すぎると、将来の不安度はグッと上がる。
年金もあてにならない、税と社会保障負担が増えていくこれからの時代、将来に向けてお金を残したり、投資などをきちんと考えることのほうが「安心」なんじゃないかと思うけど?
「でも、新築ならイザというとき高く売れるじゃない?」
これも多くの方が誤解している間違い。
新築マンションのほうが後に売ったり貸したりする時に有利だと勘違いしている人が多いが、値下がり率を考えたら新築は怖くてとても買えない!
新築で買った人は「新築」という肩書きと引き換えに、業者の利益や莫大な販売経費を負担して購入している。
でもそれを売る時は、業者の利益や販売経費は、土地や建物の価値ではないから、市場では本来の適正価格に近づこうという力が働く。
買った直後に売っても、新築という肩書が外れるだけで2~3割程度値下がりするほど。
それの何が怖いかって、つまり、支払いが続けられないような事態になったときも、売れた額がローンの残債よりも多くて売ることすらできないってこと。
マンションは築後15年くらいまで、急激に価値が下がって、それ以降は横這いというか、緩やかになる。
資産価値が下がりにくいということは、イザというときのリスクが少ないということ。
だからイチオシは、築15年〜20年くらいの中古マンションを買ってリノベーションという結論になる。
これまでご依頼をいただいた方には、どちらかというと将来は売却を視野に入れている方が多かった。
もちろん、終の棲家として購入した方は、早々にローンを終え、来るべき老後に向けて、貯蓄なり、投資なりに資金を充てていく余裕が持てるのは、新築ではなく、中古マンション+リノベーションという選択をした人だということは言うまでもないですよね。
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